前職を辞めた理由

前回の転職活動の際、初めてその職種を知って興味が湧き、実際1年強働いたのだが、業務委託契約だったのとプライベートの予定が全く立てられず(カレンダーの赤文字の日は休みだが、土曜日は出たり出なかったりでしかも前日夜に判明する)、プライベートが荒んだ。
もちろん早く帰れる日もあるにはあったものの、毎日何時に終業するのかが伝えられないし、当日に突然「今日はもういいです」と伝えられる始末だった。
酷いときには、次の日の出勤時間の連絡も来ないし、気を利かせておおよその時間に出勤しても、朝から夕方までずーっと車中で待機していたり(何も連絡がないまま結局、その日は移動予定がなく、出勤する意味あるのかと)、指定された時間に自宅に迎えに行っても、音沙汰なしで3時間そのまま待たされたり(しかも理由が寝坊とか)、役員の出張の予定も聞かされていないので、「空港まで」「え?今日出張に行くんですか!?」というやり取りも珍しくなかった。
おまけに専業主婦である役員の嫁と、こましゃくれた子供2人の塾や学校関係の送り迎えの移動にも容赦なく駆り出された。こっちにだって我が子の学校行事参加を犠牲にして働いていたのに。
待機時間は多かったものの、スケジュール共有の無さ、役員の時間のルーズさが際立っていた。
一度、交差点の角にあるビル前の路肩で降ろして待っていた時、他の車の邪魔になるからと数メートルだけ前に移動して待っていたことがあった。「小1時間」とか言ってたのに、3,4時間経っても出てこないので、LINEで聞いてみると、「ビルから出たときに車の姿が見えなかったのでもう歩いて帰った」と返信が来た。唖然とした。普段、いつ出てくるかはチェックしているので、たぶんビルのもう一方の出入り口から出て来て、ろくに確認もせず、いないと決めつけやがった。「あなたが使えないときにはタクシーで移動する」という発言を聞いたときには「ああ、必要とされていないんだな」と思い、コロナに罹患したときも有給扱いなど当然なく、好きでコロナに罹ったわけではないのに、報酬から日割りで当然のごとく減額された。
年末には役員家族で海外年越しするらしく、「年明けは2日から(海外旅行の帰国の迎えのために)出てほしい」と言われ、こっちだって家族がいるのに三が日ぐらいゆっくりさせろ!と内心思いつつ、積もり積もった不満も合わせて遂に堪忍袋の緒が切れ、契約終了を申し出た。役員は自分と一回りぐらい下の年齢だったが、今思えば1年ちょっとよく我慢したなと思う。業務委託契約の不利な部分が身にしみてわかった。

「役員運転手なんだから、役員家族の送迎も仕事のうち」と諭されることもあったがどうにも腑に落ちず、会社には秘書的な役目の人も存在していないので毎日毎日スケジュールを知っているのは当の役員本人だけで、あまりの自由勝手さと無頓着ぶりに仕える気持ちもゼロになっていた。

そもそも契約自体が書面もなく口頭だけだったので、不安だらけだったのもあったのだが。