仕切り直しと背水の陣

想定していたよりもすんなりと契約終了ができてホッとしたのも束の間、このまま再びじっくりと転職活動に勤しむわけにもいかず、タクシー運転手の道しかなくなってきた。
PC事務経験が長いのでデスクワークができないわけではないが、事務職でさしたるキャリアやスキルを持っているわけでもなく、何より何日先、何十日先、何ヶ月先を見越した計画性が必要とされる業務が合わない性分なのはわかっている。先を予測してしまうから、繁忙期や期日のことを考えると気が滅入ってしまう。こなせないわけではないがプレッシャーや不安感、責任感に苛まれて落ち着かなく。とにかく一日で完結するやっつけ仕事の方が向いているようだ。
運転自体は苦にならないのでドライバー職がいいなとは思っているが、配送配達などの物流関係は未経験かつ体力的にも持たないだろうし、トラックの運転についても中・大型免許や技術がない。おまけにAT免許だし。普通乗用車に拘っているというわけではなく、大型車両は慣れの問題ないのかもしれないが、観光バスや長距離トラックで頻繁に他府県などの遠方に行ったり、時刻表どおりに運行しなければならない路線バスもストレスが多そうだ。

「タクシーは稼げない」、「いやいや人によっては稼げる」という声も聞く。中高年から始める最後の仕事の代表である一方、最近は新卒の若者の選択肢にもなっているとも聞く。傍から見れば、ただ客をおよそ短時間乗せて運転して、客待ち時間に車外で同業者とタバコを吸いながら談笑しているイメージの気楽な職種に高待遇なイメージがない。墓場と称する人もいるらしい。とにかくマイナスイメージが強い。
ただ、共通するのは、組織にとらわれず個人の頑張り次第で収入は加減するということだ。タクシー業界はそんなネガティブイメージを払拭しようと、どこの会社も躍起になって宣伝している。良いところばかり書かれている。そんな中から自分に合うところを見つけるのもまた難しい。