思わぬ横やりが入った

5月下旬、タクシー業界に決めようと思っていた矢先、某求人サイトである役員運転手の求人を見つけた。
確か2年ほど前に同じ媒体から応募して書類選考に通り、面接で落ちたとこだった。
「このタイミングでその時と同じ求人が出たということは、当時採用された運転手が辞めてしまったのか?」と思いつつ、今回はどうせ書類選考で(以前応募してきて落とした人間だということが)バレるだろうけど、ダメ元でポチったのが5月のある週末。
その後週明けには担当者から「面接に来て欲しい」という電話があり、耳を疑った。2年前を覚えていないのかと。

面接当日、指定された場所、建物、事務所入口までの導線、すべてに覚えがあった。役員室での一対一の面接。履歴書を見ながら喋ってるその役員の顔も2年前と同じだ。質問された事項も以前に聞かれたことと同じことが大半を占めた。違うのは履歴書に職歴が1行増えたことぐらいだ。
「この人記憶がないのか?いや、そもそも2年前の一応募者についてなんか覚えていないか?」
「それとも分かってて呼んだのか?」
意図が全くわからなかった。

合否結果は1週間ほどで連絡すると言われ、不思議な気分で帰宅したのだが、求人サイトをチェックしてみると最大30人程が応募していると表示されていたので望みはかなり薄い。

1週間ほど経ったが何も連絡がない。

10日ほどして電話がかかってきた。
「最終候補に絞った3人の内の1人があなたです。当社としてはあなたを考えているのだが、最終面接にもう一度来てもらうことはできないか?」という主旨だった。面接2回なんて選考フローにも記載されてなかったはずだが、いよいよ「あなた以前にも受けに来ましたよね?」と詰められるのかなと不安は続く。

当日、前回と比べて短時間で面接が終わった。内容的にも意味あるのか?と思うぐらい1回目と変わりなかった。
「明日明後日中には結果を通知します」と言われ、次の日に採用の電話がかかってきた。

約30人の応募者の中から意外にも残ってしまった。
タクシーに傾いていた心に迷いが生じた一日となってしまった。